【さんげん】 |
|
|||||||||||
三弦は通称三味線とよばれ、邦楽や民謡に欠かせない民族楽器として、芸能遊芸の盛んな金沢に受け継がれているもので、藩政時代東・西・主計町の花柳界を中心に発展した。金沢で製造され始めた年代は明らかではないが、文久2年(1862年)作の三弦が現存している。昭和初期をピークに戦前は玄人が主であったが、戦後は邦楽の普及や民謡ブームのため素人にも広まり需要は増加してきている。 規格品であきたらない演奏者の高級品を求める声もあるが、あくまで音色が重視され、義太夫、常盤津、清元、地唄、長唄、民謡と多種多様の需要に対応できる高度な技術保持者は少なくなってきている。材料は固い木がよく、棹の最高級品はインド産の紅木、次いで紫檀、果林である。胴はすべて果林を用い、皮は猫又は犬の皮を用いている。
|
|